生物多様性シンポジウム 2/3(土)

西宮市には、環境省が選定した「生物多様性保全上重要な里地里山」が3か所あります。そこで保全活動を行っている3団体と

兵庫県立大学名誉教授服部保先生による「生物多様性シンポジウム」が西宮市役所で開かれました。

定員を超える参加者で会場は熱気に包まれ、関心の大きさが感じられました。

 

服部保先生による基調講演では、里山放置林の現状とその再生にどのような方法が考えられるかという提言に続き、西宮市の3か所の里地里山の特色を話されました。

ナシオン創造の森は市街地に囲まれた「まち山」として住民参画で管理されており、ガンピ栽培という生産機能持たせる試みをしていると説明いただきました。

 

 

第2部の活動発表では、コープこうべさんが「企業の森づくり制度」第1号として社家郷山での10年間の活動についてお話をされ、NPO法人こども環境活動支援協会さんは甲山グリーンエリアでの都市型里山としての里山利用について発表されました。

育成会の中尾理事長は、木を伐って山の整備を行うことで、生物多様性が増えていることを実証するための植生調査を実施している事、活動の4つの柱(森を育てる、学ぶ、楽しむ、参画協同)そしてガンピ栽培の取り組みについて、紹介しました。

 

それぞれ特色が異なりますが、西宮市という都市の中ではやはり住民や子どもたちをターゲットとした体験学習や環境学習に重点が置かれているようです。  

 

第3部のパネルディスカッションでは、各団体に加えて、兵庫県、西宮市の各部署の方々も交えて今後の課題について意見交換が行われました。

高齢化、人手不足、ナラ枯れ台風などの災害による計画変更、資金不足、職員と地域との交流など課題も多種多様のようです。ただ共通しているのは未来の担い手作りのために、幼児期からの積み上げが重要であり、そのためには体験学習のさらなる体系化が必要だということでした。

 

このような貴重な機会を作っていただきました西宮市に感謝いたします。