6月26日、兵庫県立森林林業技術センターの山瀬敬太郎主席研究員と伊東康人研究員のお二人をお招きし、山の緑の豊かさを測る方法について、ご指導をいただいた。
山の緑の豊かさを高めるのには、林分ごとにどのような森にするのか、目標を明確にし、目標達成のための手段を予め決めておけば、あとは活動するだけ。結果は、目標としていた緑が得られたか、を「生物多様性度」指数で測定する。その為に、林内に生えている植物の種類と種ごとの個体数を調査することが基本であると教わった。
これはいままで育成会で植生調査を実施していた方法とほぼ一致していたので、この方法を続行していけばいいと思ったが、「ベルトトランセクト」法を教えてもらいました。
三木会の中尾さん、早速実施してみたいと意気を上げていました。
山瀬先生、伊東先生、ご指導をありがとうございました。
6/17、朝からガンピの生育をチェックする為、調査区に行きました。
するとどうでしょう。調査区の中に、キツネの成体と思われる頭部の白骨があるではありませんか。
頭部と下顎の白骨が1mほど離れて、揃ってありました。どちらもきれいに歯が残っています。
ただ、胴体の方が周りには見当たりませんでした。
ですから、
①この動物は他の場所で大きなクマに襲われて食べられて、頭部分を発見地に捨てられたのか、あるいは、
②この動物が腹を空かせて他の場所で倒れて死亡し、胴体部分を他の動物に食べられて、頭の部分を発見地に捨てられたのかもしれません。
ナシオン創造の森ではクマは見かけたことがありませんから、恐らく可能性は②だと思います。
写真1.発見当時の現場。真ん中の剪定ばさみは大きさを見るために置きました。
この骨の主が誰なのか、性別は?年齢は?専門の先生に鑑定をしていただこうと思います。
数年前にもこの森で、同じようなことがあり、その時は狸さんの骨でした。今回は?
写真2.頭部と下顎を揃えてアップの写真。
6月14日(土)より山の定例活動は08:00 開始となりました。
幸い、本日は薄曇りで温度も2週間ぐらい前のような「真夏日」までに ならず、順調に作業もはかどりました。刈払機で棚田の1段目と、2段目そして、棚田入り口の階段横など写真のようにすっきりしました。
草刈り完了後の「棚田1段目」↓↓↓
草刈り完了後の「棚田2段目」↓↓↓
作業終了して、棚田2段目の「かばん掛け」の横に淡紫色の小さな花を咲かせているナナミノキ(モチノキ科モチノキ属)を見つけました。
ナナミノキは、陽樹、雌雄異株で常緑樹です。また樹肌はなめらかで、葉は一見シラカシのようです。
モチノキ属の果実は球形が多いですが、ナナミノキの果実はやや細長く曲がっており、このことから「斜めの木」とされたと言う説が有ります。(注)モチノキ属はクリスマスの飾りに使われる「セイヨウヒイラギ」も同じです。
棚田の1段目と2段目の崖に大きな枝を茂らせていますが、花を見るのは初めてです。他に、棚田を登った階段の左側に大きな枝を東側に張り出した木がありますが、花をつけているどうかは確認していません。
秋には赤い果実をつけるとのことですが、これも見たことはありませんので、秋に確かめてみたいと思います。秋のレポートをお楽しみに!
←写真は「神戸・六甲山系の樹木図鑑」より
http://www.rokkosan-shizen.jp/sub4.html
ドンジリ川沿いの「夙川舞桜」の近くに「ヒメコウゾ」(クワ科カジノキ属)を見つけました。
和紙原料のコウゾはこの「ヒメコウゾ」と「カジノキ」が交配した雑種ですので、いわば「コウゾ」の元祖みたいなものです。
(ヒメコウゾも、コウゾも和紙原料としては、まとめて「コウゾ」扱いします)
写真の果実はもうすぐ橙色に熟して食べられるそうです
(口当たりは今一つですが、甘くておいしいらしいので是非試してみたいと思います)
また、葉っぱは、クワ科の特徴である変異が大きく写真のように
「不分裂」「2裂」「3裂」「5裂」とバリエーション豊かです。
繊維は強く、長く有名な美濃和紙の原料となります。
オオキンケイギク除草後に、一つ勉強しました!これも山の作業の恩恵かな?
6月8日(日)8:30 ~10:30、展望台下の法面(斜面)の「オオキンケイギク」を除草しました。斜面は土砂崩れを防ぐための「ネット」があり、その間からオオキンケイギクは生えているので少々抜き難かったのですが、3人の会員が参加して、2時間で終了しました。これでドンジリ川沿いの黄色いオオキンケイギクの花は一本も見えないはずです。
除草前のドンジリ通り法面 ↓↓↓
除草完了後のドンジリ通り法面 ↓↓↓
今日6月2日(月)ドンジリ川の「オオキンケイギク」を刈払機で除草しました。
(ただし、法面=斜面のオオキンケイギクは時間が無くて、今日は出来ませんでした)
オオキンケイギクは「特定外来」植物で、他の草の繁殖を凌ぐ強い繁殖力のある草です。明治時代に日本にきて観賞用に栽培されていましたが、今では完全に野生化している草本です。
オオキンケイギクは多年草で、種子を飛ばして、環境によっては他の植物を押しやって増えていくので、本来なら、「根茎」から駆除せねば完全ではありませんが、種子結実の前に除草することでこれ以上の繁殖をくい止めているのです。
ですから、東山台小3の自然学習が済んだので、早速除草したわけです。
オオキンケイギクの大群落を見ると、写真のように、見事な黄色い花で楽しくなりますが、残念ながら指定の特定外来種として、今ではある生態系にとっては「害」となる草で、非情にも除草しました。
「オオキンケイギク」さん、ごめんなさい!
今日は「トライやる」最終日。
初日は里山整備の目的や方法を教わり、2,3,4日目は実際に里山整備を実習しました。
そして、最終日は、これまで実習してきた活動が「地球温暖化防止」や「生物多様性保全」に役立っていることを学びました。
更に、40億年前に初めて地球に誕生した生きものの遺伝子がず~っと現在の私たちにもつながっていることを教わり、びっくりしました。
その生きものたちが、「我慢して生きている」、「周りと競争している」、「お互い助け合いながら生きている」ことを知り、やはり人間の私たちと同じなんだと知りました。
地球温暖化の所では、炭酸ガスを少なくするために何をしたらいいのか、みんなで話し合い、最後に、実習生一人ずつ、「私はこれからこのような生活に改めます」と行動宣言をしました。宣言したことを守っているか、これから学校の先生、ご両親に見ていただこうと思っています。
ナシオン創造の森育成会にやってきた実習生の9名の諸君、頑張れよ~。
今日は昨日より気温が上がり、多分30℃ぐらいまでいったんではないでしょうか? でも、実習場所は、森の中でしたので、生徒たちは昨日より暑さは感じなかった筈です。
さて、階段作りの第1段階は、階段用の丸太を85cmに切り出すことと、階段に使う「杭」を作ることです。
予め運んであった、丸太や木を会員の指導で切りました
「杭」用の木は「鉈」を使って先を尖らすのですが、生徒では「力」が足りず、かつ扱いに慣れていない=危険との育成会会員の助言で「鉈」は取りやめ、鋸で先を尖らせることにしました。
横引きののこぎりではなかなかきれず「鉛筆」の先のように尖らせるのにみんな苦労したようです。
午前中は「杭」作りに時間が取られて材料をそろえるだけで精一杯でした。
さて、午後からいよいよ階段作り第2段階で、実際に階段作りです。
スコップで斜面の土をならし、丸太をあてがい、杭を打ち込みます。
階段を作る斜面の勾配がきついので、丸太を2本積み上げて組みました。
午後は時間が早く進みました。14:40ごろ作業を終了させ、階段を作った大きな白いそえ木の「腹」の部分に、マジックで各自サインをして写真を撮りました。
道具類を洗い、15:10に解散し、山での実習は誰もケガもなく、無事終了です。
今日の朝方はどんよりした天気だったが、昼前から気温が上がり始め、昼過ぎからは蒸し暑い一日となりました。
昨日26日は、安心プラザで地球環境などの座学と、楽しい木工作でしたが、今日はいよいよ山での木の伐採、処理などの実習活動です。
チェーンソーで切れば簡単に倒れますが、手のこぎりで15cm程の木を切るのは結構しんどい作業です。
しかも、木は、水分を十分吸い上げて、湿っている時期ですのでノコギリが、木に「噛ん」でスムースに動きません。それでも生徒たちは最後まで頑張って切り倒しました。
写真は太い「ソヨゴ」と「カナメモチ」を切っているところです
切ったあとは、枝を落とし、太い木は3mに輪切りにし、細い木や枝は120cmの長さに切って整理します。更に、枝葉は写真のように10cmほどの長さに切り刻みます
午後から、渡辺先生と、藤田先生が生徒たちの活動を視察に来られました。
(おそらく先生は生徒が意外と頑張っているので、感心されたと思います)
作業後は、道具類の手入れです。水とブラシできれいに汚れを落とし、錆び止めを吹きかけて終了です
みんなご苦労さまでした。途中大声で注意を受けたこともありましたが、最後まで良く頑張った! 普通では得られない貴重な経験で、みんな誇りに思っていいからね!あと3日間様々な作業が待っていると思うけど最後まで耐えて、頑張ってください。
朝から雨風が時々激しくなるお天気。
午前中は予定通り、安心プラザで実習生に勉強してもらった。
「地域に溶け込む」と題して、東山台自治協議会会長兼育成会副理事長の福田勝さんに地域社会に接する話をしていただきました。
次に育成会の中尾利子さんから「森を育てる意味」と題して、森がなければ私たちは生きられないことを説いていただきました。
午前中の最後は育成会の小西一郎さんから「木の伐り方」と題して、森を育てるには森の木を伐ることが必要だ、との一見矛盾する話をしていただきました。
午後から、雨天のため予定を変更して、鈴木誓子さんはじめ育成会の会員の誘導で実習生に、ゴム版を彫り、それをハンコに押した木製ペンダントを作ってもらいました
今年の実習生はみんな素直な生徒たちです。育成会の会員も彼らと楽しい一日を過ごしました。
さぁ~、明日から、いよいよ森の木を育てる作業を実習しましょう!
今年度最初の東山台小学校3年生の創造の森での自然学習が実施されました。
3人の担任の先生は若い先生ばかりで、先日下見で初めて創造の森に入られました。
今年の3年生は3クラスで89名です。各クラスを2班に分けて、6つの班に育成会の会員が一人ずつ付いて、出発しました。
創造の森の入口を入ると、ドンジリ川沿いの道はオオキンケイギクの花でオレンジ色に染まり、子ども達の歓声と笑い声でまるで山が揺れているようでした。
今回の学習の目標は、「創造の森の図鑑を作ろう」です。
お祭り広場を中心に、各班ごとに自由に植物を採集し、持って来た新聞紙にはさんで
袋に入れて持って帰ります。やはり目につく、オオキンケイギク・エゴの花・ヘビイチゴ・スイバ等は人気ですが、タツナミソウやコナスビのようなよほど注意深く見ないと見つからない植物を採っている子がいるのには、驚きました。
ヘビイチゴをかじってみる子、カラスノエンドウでピーピー笛を作って鳴らす子等、アッという間に森での時間は終り、袋にいっぱいの植物を持って学校へ戻りました。
今日さっそく採ってきた植物の名前や特徴を図鑑で調べて、自分だけのシートを作るそうです。
先生方にとっても、初めての経験だったようですが、先生自身も楽しそうにされていたので、これからの1年間の自然学習が一層楽しみになりました。
今日天気が良いので、トライやるWEEKでやってもらう作業の準備をしました。
一つは「階段作り」の準備です。資材は山の作業で伐採した樹を使用します。
太めのソヨゴ、ヒノキを中心に集めました。
また、作業時間も限られますので、階段を作るだけにしようと、出来る限り出来るところまで下準備をしました
二つ目は、雨の時、安心プラザでやってもらう木工作用の、「ナベ敷き」用の大きい輪切りを、昨年の「トライやる」で伐採した「ソヨゴ」からチェーンソーを使って作りました
(これは表面が荒いので、生徒に電動カンナできれいにしてもらおうと思います)
また、「おもしろしょうぎ」の「駒」用の輪切りを家に持ち帰った木で、全部で91枚切りました(少々腕が疲れました)。
捨てるのは、もったいないので、雨が降らなかったら来年か、別のイベントで何か考えて使いたいと思います。アイデアあれば一報下さい。
以上すべての仕事が終わったのは夕方でした。あ~今日は疲れたな~。
全ての任務終了で後は生徒を迎えるだけ。どんな反応を見せるかな~(少し不安あり。)
先日、お伝えしました「ギャップ」で見られる背丈が50㎝以下の植物の名前と、この植物が調査地の広さの中でどれだけ枝葉を広げているか測定(被度)しました。
今の時期は種から芽生えたばかりのものが多く種名がわからないのがいくつかあります。
芽生えの状態で図鑑に載ってなくて、大きくなるのを待って種名がわかれば、嬉しいのですが、そのうち消えてしまうのがほとんどです。こうして調査をしていると今まで知らなかった植物の成長過程を知ることができます。
植物に興味のある方、ご一緒に調査してみませんか。
きょうは、調査地の行き帰りに珍しいものを見ました。
これ、何て名前の蛇だと思います。
「人と自然の博物館」の太田英利先生に見方をお聞きしました。
顎のあたりが他の蛇に比べて膨れている。目の後ろにある鱗が3つ。
腹部分の鱗が発達して大きい。鱗に縦の線がある などから「ヤマカガシ」。
そしてこの大きさから♀であると教えていただきました。
体長は約150㎝ありました。普通見られるヤマカガシの色とはまったく違っていました。
「ヤマカガシ」と知っていれば、触れたりはしなかったのに・・・。
と冷や汗をかいた次第です。(反省しています)
巣穴から出て来て間がないのか動きが鈍かったです。
【創造の森】には三か所に調査地(ABC)を設定していますが、もう一つ育成会では「ギャップ」と呼んでいる所があります。
鬱蒼とした森の中で大きな木などが倒れてスポットライトを当てたように陽が入り、他と違った状態になることをギャップ(gap)といいます。
「創造の森」の中にこのギャップを人工的に作り出しました。2003年のことです。
当時は約100㎡に生育している植物を全て取り除き、そこだけがさんさんと陽が降り注ぐようになりました。
当初はこれからどのような植物が出現し、遷移していくのか見ていくのが目的でした。
すると、森の他では見られない草花が出てきました。これは大切に維持していかなくては、ということでもとの暗い所にならないように常緑の木やシダを刈ってきました。
計画通り昨年まで草花は維持できています。また、この種を維持することでギャップ以前よりもいろいろな種類の植物が育っています。
今年は来月に調査を予定しています。
きょうは、設定から11年経過し正確な広さを測定しました。77.8㎡でした。
形はいびつですが、長年調べてきた植物は、この枠内で大切に育まれています。
測定後は常緑のウラジロやヒサカキ、ネズミモチを伐りました。
陽差しが初夏のようで、久しぶりに汗をかきました。
10m×10mの枠にロープを地面にぴったりつけて、1mおきに張りました。調査の範囲が見やすく、ロープに足を取られる心配もなくなりました。
休憩でいただいたチョコレートと冷やしたゼリーはとても美味しかったです。
この調査地は2010年3月に常緑の木だけを伐って4年目を迎えました。
これからガンピの成長記録とどんな木がどれぐらい育っているのか調べていきます。
コバノミツバツツジがとても綺麗で、お花見をしながら調査地まで行きました。
白い花はマルバアオダモです。
この木も明るい所が好きです。
帰りには落葉広葉樹林を住処にしている夏鳥センダイムシクイがすぐ近くでチヨチヨギミーと鳴いていました。
少し日陰の谷筋近くでは春の草花が咲いていました。
明るい所もあって日陰もあっていろいろな生き物の住処になれば素敵ですね。
コバノミツバツツジ、レンゲ、スミレ、若葉と生き物が生き生きする季節を迎えた森に41名の方にお越しいただきました。
森のお散歩、たき火、カレースープ作りとそれぞれ希望する班に分かれてイベント開始です。
「森のお散歩」班は12人の参加です。
今日の創造の森はコバノミツバツツジが満開です。
ピンク色のトンネルを抜けて、ヒノキ林で休憩し棚田跡を通り抜け、タチツボスミレで紫色に染まる展望台を経て1時間ほど森を巡ってお祭り広場に戻りました
「たき火」では4ツのかまどを用意し、一つはカレースープ作りに、あと3つはおにぎりを焼くかまどにしました。
二人のお父さんはおにぎりが上手くやけるように良い火加減の熾火を作ってくださいました。
「カレースープ作り」ではおかあさんと一緒に子供たちもお手伝いしました。
創造の森で採りたてのシイタケを子供達が包丁を使って切りました。
皆と一緒にお待ちかねのおにぎりを焼きます.
充分に熱した網におにぎりを置いて焼き色が付くまで我慢。
醤油や味噌を付けて良い香りがしてきました。カレースープは子供用と少し辛い大人用が出来上がりました。
カレースープのお代わりをいただいて、お腹が一杯になったところで恒例の「森の博士クイズ」の始まりです。
ソメイヨシノの名前の由来から、ミツバツツジとコバノミツバツツジの違いも教えていただきながら、満開のコバノミツバツツジが問題に出ました。
全問正解者は子供達で5人もいました。
【森の博士】表彰状が授与されました。これからも森に関心を持ってまた来てください。
最後は全員で記念撮影をして解散しました。
こうして皆さんに楽しんでいただき、育成会も楽しい日を過ごさせていただきました。
ありがとうございました。また、皆さんとご一緒に楽しみましょう!!
今回のイベントは3ツのプログラムがあり、その一つ『森のお散歩』ではどのコースを歩いていただくか、危険な個所はないか見て周りました。
森の入口辺りではコバノミツバツツジが見ごろを迎えていますが、奥の方はこれからが見ごろです。
イベントでは立ち寄る時間が無くて行けませんが
展望台では、昨年草刈りをしたご褒美に今年も沢山タチツボスミレが咲きました。
それと花を数輪しか付けなかった
カスミザクラが立派な若木に育っていました。
これも周りの木を取り除き陽が充分に入って下草刈りをした結果です。
『里山に育つ生き物は人と共にある』といわれますが、本当だなあと思いました。
そんな森をイベントで充分にお楽しみください。
また、今回お越しいただけなかった皆様も身近な森をこれからもよろしくお願いいたします。